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オープンメディアラボ

【事前学習】高校の行列、一次変換の基礎事項、ベーシックは 1-1〜1-3節、エキスパートは2-1〜2-2節を学んできてください。

座標変換(補足)
Coordinate Transformation

ベーシックの学習ポイント

エキスパート2024年前期 第2問

  1. 回転方向は軸方向にねじを締めるとき右向き、x軸回転ならy軸正からz軸正方向。y軸回転はz軸正からx軸正方向と循環順なのでさらに注意。
  2. 最初の回転でウ、エは脱落。ア、イは回転は正しいが、平行移動で成否が決まる。
  3. 左上3X3行列の回転が正しいのはエだけなので、これだけで正解がわかる。ちなみに回転→平行の順なら、右上の平行移動部分が(0,1.0)となるのだが、平行移動が先だと、平行移動分も回転するので(0,1,0)をz軸回りに-90°回転させた(1,0,0)となっている。
  4. これも左上3X3行列がx軸回りに90°回転なのはアだけなので、これが正解。平行移動はz軸に対してであるが、行列は右から左に変換が進むので、これも平行移動してから回転。y軸に1平行移動されてから回転していることがわかる必要がある。

エキスパート2023年後期 第2問

  1. 回転方向の説明に注意。左上2X2行列がxy平面の回転になっているのはウ、エだがそのうち90°回転なのはエだけ。回転->平行移動の順なので、一番右の列が上から(0,0,1)になっている。
  2. 行列は右から適用となる。右はy軸回転で90°か-90°かは迷うかもしれないが、そのどちらでもロケットはx軸上にくる。そして、その後x方向に-2移動してもx軸上のまま、かつ噴射口が原点から1離れている。左はz軸回転の90°か-90°で、変換後y軸上に乗ることからアだとわかる。
  3. まず、回転だけに着目すると、ア、イはx軸上に乗るので間違いだとわかる。ウ、エを見分けるには90°か-90°かわかる必要がある。
  4. 平行移動が最後なので一番右の列が上から(0,1,0)のアorウ。垂直尾翼に着目すると最初y方向なのがz方向に変換されていることからウだとわかる。行列の左から二列目が(0,0,1)となっている。

エキスパート2023年前期 第2問

  1. $z$軸回りに$-90$°回転(右ねじ回転が正)と$x$軸方向に2平行移動。順序は回転、平行移動。行列表現では右から左へ順に変換が適用される。
  2. 回転が合うのはウだけ。最後に$z$方向に平行移動するのも合っている。
  3. 回転が合うのはイだけ。最初に$y$方向に平行移動するのも合っている。
  4. エだけが、回転軸が$x$軸、平行移動も$x$軸方向で、回転軸と平行移動の方向が共通している。

(公式問題集の補足解説)
エキスパート練習問題1第1問 (p.10)

  1. X方向の正の方向に平行移動 → $c=正の数, f=0$
    変形がない → 3×3行列の要素のうち $abde=1001$(単位行列)
    答えは$M_1$(ア)
  2. Xの正の方向への平行移動と$+45^\circ$回転の合成
    平行移動と回転はどっちが先か?
    回転は原点中心なので、平行移動→$+45^\circ$ だとリンゴの中心はX軸から外れるので誤り
    正解は $+45^\circ$回転→平行移動
    $+45^\circ$回転は一見して $M_5$または$M_6$、正の回転(反時計回り)なので3×3行列の$b=-\sin\theta<0$となっている $M_5$
    つまり $M_5$→$M_1$
    ただし変換行列は $P'=M_1 M_5 P$ というように右から順にかかっていく
    よって合成変換は $M_1 M_5$ (ア)
  3. X方向への平行移動→$+90^\circ$回転 または $+90^\circ$回転→Y方向への平行移動
    回答群にあるのはX方向への平行移動→$+90^\circ$回転 つまり $M_1$→$M_4$
    ただし変換行列は $P'=M_4 M_1 P$ というように右から順にかかっていく
    よって合成変換は $M_4 M_1$ (オ)
  4. Y軸対称、Yの正の方向への平行移動、$+90^\circ$回転の合成
    c.を更にY軸対称して得られるので$M_3 M_4 M_1$(ウ)

エキスパート練習問題2第1問 (p.36)

  1. 赤丸がy軸の正の方向、黒丸がx軸の正の方向にくる。
  2. 赤丸に着目するとア、ウだとx軸の負の方向にくることから誤答。黒丸に着目するとアだとy軸の負の方向にくる、イだとx軸の正の方向にくることから誤答。
  3. アはz軸回転、イはx軸回転、ウ、エは座標軸回転ではない。
  4. x軸-90°回転なのはアとイ。行列はz軸方向への平行移動だが図ではy軸方向に移動している。そのためには先に平行移動して回転するアが正解。変換は後ろの行列から順に行われる。ウ、エはz軸回転なので誤答。

エキスパート練習問題3第1問 (p.62)

  1. たとえば1の目に着目すると変換後x軸の正の方向にくる。
  2. 平行移動は無視して回転のみに着目するとイまたはエに絞れる。このうち平行移動が正しいのはイ
  3. z軸90°回転なのはアとイ。このうちy軸の負の方向への平行移動が先なのはア。
  4. x軸-90°回転なのはイとエ。平行移動があとになるように考えるとz軸の正の方向へ平行することと等価なのでエ。

ベーシック第1問 (p.86)

  1. 座標変換式に代入して$(x,y)=(2,0)$→$(x',y')=(2,0)$、$(x,y)=(0,2)$→$(x',y')=(2,2)$$(x,y)=(2,2)$→$(x',y')=(4,2)$となるものを見つける。変換式を見れば、どういった図形変換かわかるようにしておく。X方向へのせん断(スキュー)なのでy座標は不変なアだとわかる。
  2. アフィン変換

    $ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=x+y\\ y'=y \end{array} \right. \end{eqnarray} $   $ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=1x +1y +0\\ y'=0x +1y +0 \end{array} \right. \end{eqnarray} $

    $\begin{pmatrix}x'\\y'\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1 &1\\0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}+\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix}$

    アフィン変換の同次座標表現

    $\begin{pmatrix}x'\\y'\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1 &1 &0\\0 &1 &0\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\1\end{pmatrix}$

  3. X方向に1/3、Y方向に1/3拡大縮小して、Y方向に-1平行移動。座標変換式に代入して$(x,y)=(3,3)$→$(x',y')=(1,0)$となるものなどを絞っていく。

    アフィン変換

    $ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=\frac{1}{3}x\\ y'=\frac{1}{3}y-1 \end{array} \right. \end{eqnarray} $   $ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=\frac{1}{3}x +0y +0\\ y'=0x +\frac{1}{3}y -1 \end{array} \right. \end{eqnarray} $

    $\begin{pmatrix}x'\\y'\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}\frac{1}{3} &0\\0 &\frac{1}{3}\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}+\begin{pmatrix}0\\-1\end{pmatrix}$

    アフィン変換の同次座標表現

    $\begin{pmatrix}x'\\y'\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}\frac{1}{3} &0 &0\\0 &\frac{1}{3} &-1\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\1\end{pmatrix}$

  4. 軸対称と平行移動だけでは、赤と白の位置が入れ替わらない。

    エ.のアフィン変換の同次座標表現

    $\begin{pmatrix}x'\\y'\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1 &0 &5\\0 &1 &0\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}0 &-1 &0\\1 &0 &0\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\1\end{pmatrix}$

    $\begin{pmatrix}x'\\y'\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0 &-1 &5\\1 &0 &0\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\1\end{pmatrix}$

  5. 回転の前に原点を通るように平行移動する必要がある。

ベーシック24年前期27問の変換式
Transformation Equation in Basic Question

a.のアフィン変換

$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=x+5\\ y'=y-4 \end{array} \right. \end{eqnarray} $   $ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=1x +0y +5\\ y'=0x +1y -4 \end{array} \right. \end{eqnarray} $
 
$\begin{pmatrix}x'\\y'\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1 &0\\0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}+\begin{pmatrix}5\\-4\end{pmatrix}$

同次座標表現

$\begin{pmatrix}x'\\y'\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1 &0 &5\\0 &1 &-4\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\1\end{pmatrix}$

b.のアフィン変換

$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=\frac{1}{2}x\\ y'=\frac{1}{2}y \end{array} \right. \end{eqnarray} $   $ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=\frac{1}{2}x +0y +0\\ y'= 0x +\frac{1}{2}y +0 \end{array} \right. \end{eqnarray} $
 
$\begin{pmatrix}x'\\y'\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}\frac{1}{2} &0\\0 &\frac{1}{2}\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}+\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix}$

同次座標表現

$\begin{pmatrix}x'\\y'\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}\frac{1}{2} &0 &0\\0 &\frac{1}{2} &0\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\1\end{pmatrix}$

c.アのアフィン変換

$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=x\\ y'=-y+6 \end{array} \right. \end{eqnarray} $   $ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=1x +0y+0\\ y'=0x -1y+6 \end{array} \right. \end{eqnarray} $
 
$\begin{pmatrix}x'\\y'\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1 &0\\0 &-1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}+\begin{pmatrix}0\\6\end{pmatrix}$

同次座標表現

$\begin{pmatrix}x'\\y'\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1 &0 &0\\0 &-1 &6\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\1\end{pmatrix}$

c.イのアフィン変換

$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=-x+6\\ y'=y \end{array} \right. \end{eqnarray} $   $ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x'=-1x +0y +6\\ y'= 0x +1y +0 \end{array} \right. \end{eqnarray} $
 
$\begin{pmatrix}x'\\y'\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-1 &0\\0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}+\begin{pmatrix}6\\0\end{pmatrix}$

同次座標表現

$\begin{pmatrix}x'\\y'\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-1 &0 &6\\0 &1 &0\\0 &0 &1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\1\end{pmatrix}$

エキスパート24年前期1問の解説
Matrix Explanation

  1. Y方向の正の方向に平行移動 → $c=0, f=$正の数
    変形がない → 3×3行列の要素のうち $abde=1001$(単位行列)
    答えは$M_2$(イ)
  2. Yの正の方向への平行移動と$-45^\circ$回転の合成
    平行移動と回転はどっちが先か?
    回転は原点中心なので、平行移動→$-45^\circ$回転 だとオブジェクトの中心はY軸から外れるので誤り
    正解は $-45^\circ$回転→平行移動
    $-45^\circ$は一見して $M_4$または$M_5$、負の回転(時計回り)なので3×3行列の$d=-\sin\theta<0$となっている $M_5$
    つまり $M_5$→$M_2$
    ただし変換行列は $P'=M_2 M_5 P$ というように右から順にかかっていく
    よって合成変換は $M_2 M_5$ (ウ)
  3. Yの正の方向への平行移動と$+45^\circ$回転の合成
    ただし今度は、平行移動→$+45^\circ$回転
    $+45^\circ$回転は $M_4$
    つまり $M_2$→$M_4$
    ただし変換行列は $P'=M_4 M_2 P$ というように右から順にかかっていく
    よって合成変換は $M_4 M_2$ (オ)
  4. Y軸対称、Yの正の方向への平行移動、$+45^\circ$回転の合成
    つまり $M_3$→$M_2$→$M_5$
    よって合成変換は$M_3$→$M_2$→$M_5$(イ)
    (図3を更にY軸対称しても得られるが $M_5$→$M_2$→$M_3$ は解答群にない。)

【事後学習】公式問題集のエキスパート、ベーシック共に各回の第1問は座標変換の問題です。これらの問題を全て解けるようになってください。

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